毎日の出来事をのんびり書いていきます
09/03
2011
台風の影響で昨日今日と風が強いです。
昨日は久しぶりにクーラーなしで寝られた。
しばらくオリキャラ紹介をお休みして、「悠々人生」の連載を始めようと思います。
「Railwayぷらざ」で毎週連載していた4コマが元になっています。
目指せ週2回更新!
夏休み中に終われればいいな・・・;
今回の主人公はりか。毎回語り手が変わりますが、全体の登場人物は一緒。くわえているのはアルフォートです。ビスケットとチョコ両方食べられて、贅沢な感じがするので好きですアルフォートv(笑)
デジタルカラーで彼らを描くのは涼夏以外は初めてだったりします。
では続きからどうぞー。
*****************
一度しかない人生だから、のんびり楽しくいきましょうよ。
焦らず騒がず怒らず、悠々とした人生、そう「悠々人生」を送りましょう。
これは自由気ままな生活を送る、7人の物語。
悠々人生 第1話 『森下 りか』
「なんのために生きてるの?」って聞かれたら、「私は間違いなく食べるため」って言うだろう。50パーセント の生きる楽しみは食べること。食べている時って一番幸せ。幼い頃から不思議なほど嫌いな食べ物がなくて、これからの長い時間、まだまだ食べたことのないおいしいものに出会っていきたい。それが私の夢だ。文芸部の部室でそんなことを言っていたら
「夢は小説家になることじゃなかったの?」
と、るかちゃんにツッコまれた。
「確かにそれも含まれてる。でも夢は多ければ多いほどいいでしょ?」
私はそう言いながら、笑顔で売店で買ってきたアルフォートをかじる。「りかちゃん常になんか食べてる」と単行本から顔を上げたるかちゃんに呆れられたので、「おひとつどうですか?」と勧めてみた。彼女は仕方なく、といった感じで、片面にビスケットの付いたチョコレートを一つつまんだ。
遠藤るかちゃんは東京から明青大学にやってきた日本文学学科の女子大生。ふわふわとした栗色のロングヘアーを二つにまとめていて、いつも柔らかい色合いの可愛い服を着ていてまさにお嬢さまって感じだ。学科は違うが、同じ文芸部に所属している2回生。読書と絵を描くのが趣味らしく、よくお勧め本を紹介してくれる。
「りかちゃんお菓子持ってこないでよ。本汚れるでしょ」
るかちゃんはアルフォートを食べ終えると、ウエットティッシュで丁寧に指先を拭った。
「いいじゃん、私物だし。汚れようが、ジュースこぼそうが」
「よくない! これ図書館で借りてきた本だもん」
るかちゃんは背表紙を指さして怒鳴った。よく見ると透明なラベルだ貼られている。単行本は場所をとるから。できるだけ文庫本を買うようにしているらしい。
「それって今日借りてきたの?」
「そう。今から借りておけば、夏休み終わるまで借りられるでしょ?」
「もうすぐ夏休みだもんねー」
窓の外のきらきらした緑を見て言った。試験やレポートを出し終わったら、約2ヶ月の楽しい夏休みが始まる。大学生の良い点は、小中高生と違って宿題がないところ。夏期講習もなく、集中講義とかを入れてなければまるまるお休みなのだ。
「高山くん、多分来られないって。こないだ図書館行った時見かけたんだけど、なんか必死で課題やってて声かけられなかった」
「大変だね経済学部は。一体どんなテストになるんだろ」
「さあ・・・・・・。きっと私たち文学部には縁のないこと勉強してるんだろうね」
部員を心配しつつも本を読みふけるるかちゃんに、「テストいくつくらいあるの?」と再びアルフォートをかじりながら尋ねると、「まだ分かんないけど7つくらいかなあ。8月に2つあるらしい」と返ってきた。主に必修と専門科目らしい。我々には履修しなければならない専門科目がいっぱいある。二回生でテストが多いのも不思議ではない。いや、そういうことじゃなくて、それだけ試験漬けだというのに、このまったりモードはなんなんだ?
「ゆったり本読んでる場合じゃないでしょるかちゃん。図書館か家帰って勉強した方がいいんじゃないの?」
るかちゃんは本から顔を上げると、首をかしげて何かを思い出したかのように笑顔を作り「大丈夫大丈夫」と右手をひらひらさせて言った。
「ほとんど持ちこみアリだもん。ノートもちゃんととってあるし、よっぽどのことがない限り落ちないよ」
小中高と違うところその2は、なんと持ちこみアリの科目があるところ。「テストは暗記して当たり前」という常識がぶち壊された気分だったが、4回生までに卒業単位をとらなければならないのである。全部が全部通れない科目ばかりでは卒業できないのだと理解すると、素直に納得することができた。
「りかちゃんは?」
「私はレポート提出がほとんどだね」
「ね、今度一緒に祇園祭行かない?」
るかちゃんは唐突にそんなことを言った。
「えー、やだよ。人多いし」
「そんなつれないこと言わないで。去年はりかちゃんと知り合ったばっかりで一緒に行けなかったし、京都にいる間に1回くらい行ってみたいよ」
「まあ1回くらいは行ってみてもいいと思うけど・・・・・・。それじゃ宵々山行こうよ。鉾も見られるし」
「私、宵山に行ってみたい。夜店とか出るんでしょ。私、そういうところで飲んだり食べたりするのだーいすき!」
そんな、宵々山でも人の波に飲まれてゆっくり鉾見物もできないくらいなのに。しかしるかちゃんの頭はすっかりお祭りモード一色になっている。これはやばいと思ったが、今更止められない。わざわざ行かんでもKBS京都でやるからそれを見ろと言っても無駄だろう。面倒なことになってしまった。
「なんでわざわざ宵山に行きたいの」
夜の方が多少涼しいから? と思っていたが、回答は予想外なものだった。
「だって鴨川ホルモーに出てくるでしょ?」
るかちゃんは満面の笑みで言った。彼女は万城目学作品の大ファン。なるほど、るかちゃんは「四条烏丸交差点の会」を体験したいらしい。「京都にオニなんかいないよ」と彼女の背中に呟いた。
万城目オタク、ここに極まれりである。
焦らず騒がず怒らず、悠々とした人生、そう「悠々人生」を送りましょう。
これは自由気ままな生活を送る、7人の物語。
悠々人生 第1話 『森下 りか』
「なんのために生きてるの?」って聞かれたら、「私は間違いなく食べるため」って言うだろう。50パーセント の生きる楽しみは食べること。食べている時って一番幸せ。幼い頃から不思議なほど嫌いな食べ物がなくて、これからの長い時間、まだまだ食べたことのないおいしいものに出会っていきたい。それが私の夢だ。文芸部の部室でそんなことを言っていたら
「夢は小説家になることじゃなかったの?」
と、るかちゃんにツッコまれた。
「確かにそれも含まれてる。でも夢は多ければ多いほどいいでしょ?」
私はそう言いながら、笑顔で売店で買ってきたアルフォートをかじる。「りかちゃん常になんか食べてる」と単行本から顔を上げたるかちゃんに呆れられたので、「おひとつどうですか?」と勧めてみた。彼女は仕方なく、といった感じで、片面にビスケットの付いたチョコレートを一つつまんだ。
遠藤るかちゃんは東京から明青大学にやってきた日本文学学科の女子大生。ふわふわとした栗色のロングヘアーを二つにまとめていて、いつも柔らかい色合いの可愛い服を着ていてまさにお嬢さまって感じだ。学科は違うが、同じ文芸部に所属している2回生。読書と絵を描くのが趣味らしく、よくお勧め本を紹介してくれる。
「りかちゃんお菓子持ってこないでよ。本汚れるでしょ」
るかちゃんはアルフォートを食べ終えると、ウエットティッシュで丁寧に指先を拭った。
「いいじゃん、私物だし。汚れようが、ジュースこぼそうが」
「よくない! これ図書館で借りてきた本だもん」
るかちゃんは背表紙を指さして怒鳴った。よく見ると透明なラベルだ貼られている。単行本は場所をとるから。できるだけ文庫本を買うようにしているらしい。
「それって今日借りてきたの?」
「そう。今から借りておけば、夏休み終わるまで借りられるでしょ?」
「もうすぐ夏休みだもんねー」
窓の外のきらきらした緑を見て言った。試験やレポートを出し終わったら、約2ヶ月の楽しい夏休みが始まる。大学生の良い点は、小中高生と違って宿題がないところ。夏期講習もなく、集中講義とかを入れてなければまるまるお休みなのだ。
「高山くん、多分来られないって。こないだ図書館行った時見かけたんだけど、なんか必死で課題やってて声かけられなかった」
「大変だね経済学部は。一体どんなテストになるんだろ」
「さあ・・・・・・。きっと私たち文学部には縁のないこと勉強してるんだろうね」
部員を心配しつつも本を読みふけるるかちゃんに、「テストいくつくらいあるの?」と再びアルフォートをかじりながら尋ねると、「まだ分かんないけど7つくらいかなあ。8月に2つあるらしい」と返ってきた。主に必修と専門科目らしい。我々には履修しなければならない専門科目がいっぱいある。二回生でテストが多いのも不思議ではない。いや、そういうことじゃなくて、それだけ試験漬けだというのに、このまったりモードはなんなんだ?
「ゆったり本読んでる場合じゃないでしょるかちゃん。図書館か家帰って勉強した方がいいんじゃないの?」
るかちゃんは本から顔を上げると、首をかしげて何かを思い出したかのように笑顔を作り「大丈夫大丈夫」と右手をひらひらさせて言った。
「ほとんど持ちこみアリだもん。ノートもちゃんととってあるし、よっぽどのことがない限り落ちないよ」
小中高と違うところその2は、なんと持ちこみアリの科目があるところ。「テストは暗記して当たり前」という常識がぶち壊された気分だったが、4回生までに卒業単位をとらなければならないのである。全部が全部通れない科目ばかりでは卒業できないのだと理解すると、素直に納得することができた。
「りかちゃんは?」
「私はレポート提出がほとんどだね」
「ね、今度一緒に祇園祭行かない?」
るかちゃんは唐突にそんなことを言った。
「えー、やだよ。人多いし」
「そんなつれないこと言わないで。去年はりかちゃんと知り合ったばっかりで一緒に行けなかったし、京都にいる間に1回くらい行ってみたいよ」
「まあ1回くらいは行ってみてもいいと思うけど・・・・・・。それじゃ宵々山行こうよ。鉾も見られるし」
「私、宵山に行ってみたい。夜店とか出るんでしょ。私、そういうところで飲んだり食べたりするのだーいすき!」
そんな、宵々山でも人の波に飲まれてゆっくり鉾見物もできないくらいなのに。しかしるかちゃんの頭はすっかりお祭りモード一色になっている。これはやばいと思ったが、今更止められない。わざわざ行かんでもKBS京都でやるからそれを見ろと言っても無駄だろう。面倒なことになってしまった。
「なんでわざわざ宵山に行きたいの」
夜の方が多少涼しいから? と思っていたが、回答は予想外なものだった。
「だって鴨川ホルモーに出てくるでしょ?」
るかちゃんは満面の笑みで言った。彼女は万城目学作品の大ファン。なるほど、るかちゃんは「四条烏丸交差点の会」を体験したいらしい。「京都にオニなんかいないよ」と彼女の背中に呟いた。
万城目オタク、ここに極まれりである。
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