毎日の出来事をのんびり書いていきます
涼しくなってきていたのに、また半袖に逆戻り。
なんなんだこれは;
今回の悠々人生は遼介くんです。
色が白く、目が大きくなっちゃったので女の子に見えてしまいます(笑)何かに驚いている様子。
ちなみに男の子の1人称というのは完全に想像で書いてます。
兄や弟がいれば少しは参考になるのかもしれませんが、父じゃあんまり参考になりませんしねえ・・・;
心理描写とかますます自己流になるので、リアルかどうか全然分かりません。
続きから悠々人生3話目。
ちなみに「悠々人生」4コマの頃のネタをほとんど小説に使っています。
ここ数日体調いまいちでしたが、小雨さんから素敵なものをいただいてうきうきという単純な私です(笑)
*************
悠々人生 第3話 『高山 遼介』
課題が早めに終わったので文芸部の部室に向かって歩いていると、偶然遠藤さんに会った。何やら嬉しそうに微笑んでいる。
「高山くん偶然! 今日は部室来ないんじゃなかったの?」
「そのつもりだったんだけど、さっき課題片づいたから」
「それはそれは、ご苦労様」
手に握られた日傘を指して「遠藤さん帰るの?」と聞いた。
「そろそろ帰らないと地下鉄混むから。あ、でもりかちゃんは部室にいるよ」
遠藤さんは暑さに耐えかねたのか、黒い日傘をぱっと開いた。傘の下に濃い影ができる。風で彼女の二つに結われた長い髪とロングスカートが揺れた。
「ね、高山くん。今度の宵山って用事ある?」
「宵山?」
「りかちゃんと2人で行くんだけどね、高山くんも一緒にどうかなって」
おれは大阪に住んでいるが、鉾を見るために宵々々山や宵々山に参加したことはある。その時の思い出といえば、暑いのと人が多くてよく見えなかったということだ。ろくな思い出がないし、めったに行くもんじゃないと思った。でも可愛い女の子と一緒に行くのなら話は別。おもわず顔がにやけそうになったが、ポーカーフェイスを保って「それって何時に行くの?」と聞いた。
「6時くらいかなあ。昼間ならいいんだけど、夜遅くに女の子二人じゃ危ないでしょ?」
「で、ボディーガードにおれを選んだと・・・・・・・」
「いやいやそうじゃないんだけどね。夜店も出るし、夜の宵山も体験してみたいなあって思って」
「なるほどね。うーん、でもおれ大阪から来てるから、あんまり遅くなると厳しいかもしれないかもしれないな」
遠藤さんは分かりやすく声のトーンを落として「そっか・・・・・・」と言ってうなだれた。口ではそう言っておいたが、本心は行く気満々だった。この際こっちに住んでる友達の家に泊めてもらってもいいのだ。
遠藤さんと別れて校舎内に入ると、キンと涼しかった。学生ロビーにある椅子に腰かけてペットボトルに入ったお茶を取り出すと「りょーすけ!」と背後から声をかけられた。こんななれなれしい奴、おれが知ってる限りでは一人しかいない。
「・・・・・・慎吾」
慎吾は「よっ」と片手を上げて隣に座った。逆立てた茶髪、ラフな格好、テキトーな性格。おれとはまるで正反対だが、彼は小学校以来の友人でくされ縁である。
「お前文芸部入ったんだっけ? 相変わらずネクラだなー」
「ほっとけ・・・・・・」
慎吾はけらけら笑いながら「やっぱ体動かすサークルの方が楽しいぞー」と言った。まったくなんでこんな奴と友達なのかさっぱり分からない。お茶を一口飲んでため息をついた。
「こんなとこで何やってんの?」
「課題終わったから、部室行こうと思って」
「そっかそっか。あ、そうだ遼介。今度宵山行かねー?」
「お前と二人で?」と上目づかいで言うと、「違う違う」と慎吾は大げさに笑い声を上げた。
「深雪と一緒に行くんだけどさ、あいつ大勢の方が楽しいって言ってんだよ」
深雪というのは慎吾の彼女で、英文科生。苗字は加賀美さんという。デートの邪魔にならないのか、と一応聞いたら全然オッケーだと慎吾は言った。
「それで何時に行くの?」
「夜行くから6時以降だな。遅くなるから、おれのアパートに泊まっていけばいいし」
慎吾は自宅から大学まで通える距離だというのに、贅沢にも四条烏丸で一人暮らしをしているのだ。それにしてもなんというグッドタイミング。
「実は文芸部の遠藤さんと森下さんも行きたいって言ってるんだよ。連れて行ってもいいか?」
「ああ、るかちゃんとりかちゃんだっけ? いいよ、むしろ助かる。これで深雪も満足するわ」
「大丈夫だと思うけど、一応二人にも伝えとく」
「おー、分かった。またメールするわ。そんじゃな」
慎吾と別れて文芸部に向かうと、文庫本を読みふけっている森下さんがいた。「あれ、今日は来ないんじゃなかったの?」「課題早めに終わったから」などと短いやり取りをした後「アルフォート食べる?」と一つ差し出された。森下さんは常にお菓子を持ち歩いている。せっかくなので一ついただいた。
「ねえ、高山くん。るかちゃんが一緒に宵山行かないかって言ってるんだけど・・・・・・男の子一人じゃ来にくいよねえ」
森下さんはおずおずと切り出した。おそらく遠藤さんに言ってくれとお願いされたんだろう。
「さっき遠藤さんから聞いた。それよりさ、さっき慎吾・・・・・・神谷に宵山行こうって誘われたんだけど、加賀美さんが大勢で行きたいって行ってるんだって。せっかくだからみんなで行かないか?」
森下さんは一瞬目を丸くしたが、すぐ嬉しそうに笑って「ほんとに?!」と叫んだ。いきなり顔の距離が近づいたのでどきっとした。
「よかったー、深雪ちゃんにも言おうと思ってたとこなの。ちょっと待ってね、るかちゃんに連絡してみる」
森下さんは弾んだ声で遠藤さんに電話をかけた。確認をとるまでもなくオッケー立った。何せあんなに行きたがっていたのだから。
「るかちゃん、鴨川ホルモーの世界を再現したいんだってさ」
「ああ、宵山出てくるもんな」
マニアだよねえ、と森下さんは笑って文庫本のページをめくった。
「そういえば森下さんの伯父さんって作家だよな」
「うん。森下晃司」
「知ってる知ってる、有名だもん。一度会ってみたいなー。最近小説ネタ詰まりで、やっぱりプロの人に聞くのが一番だし」
文芸部は本を読む他に、小説を自分たちで書いて年に一度発行したりしている。
「いや、会わない方がいい」
森下さんはきっぱりと言った。
「なんで」
「いつも荒れてるし、ネタ切れだし。参考になること一つもないよ」
「またまたあ」
謙虚で言ってるのだと思って言ったが、森下さんは首を振るばかり。
「でも宵山のこともあるし、見に行ってみる?」
「いいの?」
「太秦に住んでるからそんなに遠くないし、今からでも」
「え、そんな急に行ったら迷惑じゃない?」
「全然。伯父さん年中家にいるし、お客様とか招いた方が、小説のネタになっていいかもしれない」
そんなこんなでおれは、森下晃司の家にお邪魔することになってしまった。
課題が早めに終わったので文芸部の部室に向かって歩いていると、偶然遠藤さんに会った。何やら嬉しそうに微笑んでいる。
「高山くん偶然! 今日は部室来ないんじゃなかったの?」
「そのつもりだったんだけど、さっき課題片づいたから」
「それはそれは、ご苦労様」
手に握られた日傘を指して「遠藤さん帰るの?」と聞いた。
「そろそろ帰らないと地下鉄混むから。あ、でもりかちゃんは部室にいるよ」
遠藤さんは暑さに耐えかねたのか、黒い日傘をぱっと開いた。傘の下に濃い影ができる。風で彼女の二つに結われた長い髪とロングスカートが揺れた。
「ね、高山くん。今度の宵山って用事ある?」
「宵山?」
「りかちゃんと2人で行くんだけどね、高山くんも一緒にどうかなって」
おれは大阪に住んでいるが、鉾を見るために宵々々山や宵々山に参加したことはある。その時の思い出といえば、暑いのと人が多くてよく見えなかったということだ。ろくな思い出がないし、めったに行くもんじゃないと思った。でも可愛い女の子と一緒に行くのなら話は別。おもわず顔がにやけそうになったが、ポーカーフェイスを保って「それって何時に行くの?」と聞いた。
「6時くらいかなあ。昼間ならいいんだけど、夜遅くに女の子二人じゃ危ないでしょ?」
「で、ボディーガードにおれを選んだと・・・・・・・」
「いやいやそうじゃないんだけどね。夜店も出るし、夜の宵山も体験してみたいなあって思って」
「なるほどね。うーん、でもおれ大阪から来てるから、あんまり遅くなると厳しいかもしれないかもしれないな」
遠藤さんは分かりやすく声のトーンを落として「そっか・・・・・・」と言ってうなだれた。口ではそう言っておいたが、本心は行く気満々だった。この際こっちに住んでる友達の家に泊めてもらってもいいのだ。
遠藤さんと別れて校舎内に入ると、キンと涼しかった。学生ロビーにある椅子に腰かけてペットボトルに入ったお茶を取り出すと「りょーすけ!」と背後から声をかけられた。こんななれなれしい奴、おれが知ってる限りでは一人しかいない。
「・・・・・・慎吾」
慎吾は「よっ」と片手を上げて隣に座った。逆立てた茶髪、ラフな格好、テキトーな性格。おれとはまるで正反対だが、彼は小学校以来の友人でくされ縁である。
「お前文芸部入ったんだっけ? 相変わらずネクラだなー」
「ほっとけ・・・・・・」
慎吾はけらけら笑いながら「やっぱ体動かすサークルの方が楽しいぞー」と言った。まったくなんでこんな奴と友達なのかさっぱり分からない。お茶を一口飲んでため息をついた。
「こんなとこで何やってんの?」
「課題終わったから、部室行こうと思って」
「そっかそっか。あ、そうだ遼介。今度宵山行かねー?」
「お前と二人で?」と上目づかいで言うと、「違う違う」と慎吾は大げさに笑い声を上げた。
「深雪と一緒に行くんだけどさ、あいつ大勢の方が楽しいって言ってんだよ」
深雪というのは慎吾の彼女で、英文科生。苗字は加賀美さんという。デートの邪魔にならないのか、と一応聞いたら全然オッケーだと慎吾は言った。
「それで何時に行くの?」
「夜行くから6時以降だな。遅くなるから、おれのアパートに泊まっていけばいいし」
慎吾は自宅から大学まで通える距離だというのに、贅沢にも四条烏丸で一人暮らしをしているのだ。それにしてもなんというグッドタイミング。
「実は文芸部の遠藤さんと森下さんも行きたいって言ってるんだよ。連れて行ってもいいか?」
「ああ、るかちゃんとりかちゃんだっけ? いいよ、むしろ助かる。これで深雪も満足するわ」
「大丈夫だと思うけど、一応二人にも伝えとく」
「おー、分かった。またメールするわ。そんじゃな」
慎吾と別れて文芸部に向かうと、文庫本を読みふけっている森下さんがいた。「あれ、今日は来ないんじゃなかったの?」「課題早めに終わったから」などと短いやり取りをした後「アルフォート食べる?」と一つ差し出された。森下さんは常にお菓子を持ち歩いている。せっかくなので一ついただいた。
「ねえ、高山くん。るかちゃんが一緒に宵山行かないかって言ってるんだけど・・・・・・男の子一人じゃ来にくいよねえ」
森下さんはおずおずと切り出した。おそらく遠藤さんに言ってくれとお願いされたんだろう。
「さっき遠藤さんから聞いた。それよりさ、さっき慎吾・・・・・・神谷に宵山行こうって誘われたんだけど、加賀美さんが大勢で行きたいって行ってるんだって。せっかくだからみんなで行かないか?」
森下さんは一瞬目を丸くしたが、すぐ嬉しそうに笑って「ほんとに?!」と叫んだ。いきなり顔の距離が近づいたのでどきっとした。
「よかったー、深雪ちゃんにも言おうと思ってたとこなの。ちょっと待ってね、るかちゃんに連絡してみる」
森下さんは弾んだ声で遠藤さんに電話をかけた。確認をとるまでもなくオッケー立った。何せあんなに行きたがっていたのだから。
「るかちゃん、鴨川ホルモーの世界を再現したいんだってさ」
「ああ、宵山出てくるもんな」
マニアだよねえ、と森下さんは笑って文庫本のページをめくった。
「そういえば森下さんの伯父さんって作家だよな」
「うん。森下晃司」
「知ってる知ってる、有名だもん。一度会ってみたいなー。最近小説ネタ詰まりで、やっぱりプロの人に聞くのが一番だし」
文芸部は本を読む他に、小説を自分たちで書いて年に一度発行したりしている。
「いや、会わない方がいい」
森下さんはきっぱりと言った。
「なんで」
「いつも荒れてるし、ネタ切れだし。参考になること一つもないよ」
「またまたあ」
謙虚で言ってるのだと思って言ったが、森下さんは首を振るばかり。
「でも宵山のこともあるし、見に行ってみる?」
「いいの?」
「太秦に住んでるからそんなに遠くないし、今からでも」
「え、そんな急に行ったら迷惑じゃない?」
「全然。伯父さん年中家にいるし、お客様とか招いた方が、小説のネタになっていいかもしれない」
そんなこんなでおれは、森下晃司の家にお邪魔することになってしまった。
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