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なんか急に寒くなりましたね。
火曜日なんか木枯らし一号が吹いてたみたいで、ぶるぶる震えながら帰ってきました;
車検も今日で無事済み、一安心v


さて、今日から3日連続で「Little*Bearハロウィン小説」を公開します~。
去年出来なくて悔しかったので、今年は実現できてよかった!;
今日のイラストはハロウィンっぽくないですが、明日、あさってとはハロウィンぽいイラストをアップします。




興味のある方は続きからどうぞ♪



Little*Bearハロウィン小説
『英国式ハロウィン』




ハロウィンはそもそもアメリカのお祭りらしい。
イギリスの場合十月になってハロウィンが近づいてきてもいたって普通で派手なディスプレイもないし、美香さんはとても驚いていた。


「イギリスってほとんどハロウィンに関心ないんですね」
「まあクリスマスの方が熱心にしてるような気がするわね。でもどうしてそう思ったの?」


最近冷え込んできたので、ハンナおばあちゃんは常にショールを肩にかけている。イギリスはやたら風が強く、日が照っていても寒い。午前中と午後の気温の差がとても激しい。


「だって見る限り八百屋さんに大きなかぼちゃが置いてある程度じゃないですか。大学でも似たような感じ。お店に多少はハロウィングッズが置いてあるけど、ディスプレイまではされてないし。ハロウィンが近づいてきたら急にハロウィンモードな雰囲気になるとは思えないですし」
「日本ではハロウィンする人が多いんですか?」


私はおばあちゃんお手製のチョコチップクッキーをお皿に盛って美香さんに勧めた。今日はうちのお店の定休日。いつも遠くから来てくれている常連さんの美香さんを招いてお茶会を開くことにしたんだった。美香さんは「ありがとう」と微笑んでクッキーを一つつまんだ。


「ハロウィンそのものをする人は少ないんだけどね、雑貨屋さんなんかはハロウィンが近づくとカラフルなハロウィンディスプレイになって華やぐの」
「へー。なんか不思議な感じ」


私は知ってる、とおばあちゃんはしわくちゃな手でカップを包みながら


「秋は雑貨屋さんが頑張るシーズンよね」


と皮肉っぽく言い、美香さんは苦笑した。


「昔はそういうのなかったから私も不思議な感じです。私たちがするのはせいぜいハロウィン用のお菓子を買って食べるくらいですからね。日本の大学では仮想して先生の研究室に訪ねて行った子もいるみたいですけど」
「トリック・オア・トリート!って言って?」
「そうです。ケーキをくださった先生もいらっしゃったみたいですよ」


でもやっぱり日本でするのと本場でするのとでは根本的に違いますよね、と言って美香さんは紅茶を飲む。本場って外国のことだろうか。だいぶ減ってきたのでおばあちゃんは三つのカップに紅茶を足し、たっぷりとミルクを入れた。


「スフレちゃん、ジャック・オ・ランタン作ったりするの?」
「ああ作りますよ。でも最近はくりぬくのが大変だから、小さめのかぼちゃで一個だけ作ってます」
「庭に置いてあるのを眺めるだけだから、たいして面白くないのよね」
「そうそう。だから毎年おばあちゃんにハロウィン衣装作ってもらってるんです」
 

それは仮装ってことですか? と美香さんが首をかしげ、デザインは普通の服と変わらないけど、ハロウィンカラーなの、とおばあちゃんが答える。おばあちゃんはお裁縫が得意なので、ハロウィンに限らず私の服を作ってくれたりもする。


「コッツウォルズの顔なじみのお菓子屋さんに訪ねて行ってお菓子もらったりするの。こっちもお菓子やテディベアを持って行ったりするんだけど」
「へー、楽しそうですね!」
 

美香さんが目を輝かせながら言い、私とおばあちゃんは目を見合わせる。


「それじゃ美香さんも一緒に行きませんか?」
「え、私も?」
「まだハロウィンまで時間あるし、もう一着くらいなんとかなるよね、おばあちゃん」
「ええ、まだ十月の初めだものね」
「えっ。そんな急に・・・・・・。ハンナさんお店もありますし、ご迷惑になっちゃいますよ」
 

美香さんは突然のお誘いにとまどっていたけど、実際は逆だった。おばあちゃんは可愛い女の子を着飾るのが趣味なのだ。美香さんが帰国する前に何か服を作ってあげたいと言っていたのを私は覚えていた。


「美香さん全然気を遣うことなんてないのよ。あなた来年には日本に帰っちゃうんでしょ?やるなら今年しかないじゃない」
「そうそう。美香さんにはいつもお店に来てもらってるんですから、ささやかなお返しだろ思っててくださいよ」
「で、でも・・・・・・」
「それじゃ来て頂いたついでにサイズ測らせてもらうわね。私の部屋にご案内します。スフレ、メジャー持ってきて」
「はーい」


こうして美香さんは半ば強制的にイギリスのハロウィンを体験することになったのだった。十月の初めの土曜日の午後のことだった。
 
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