毎日の出来事をのんびり書いていきます
4話目は涼夏ちゃん。遼介の妹です。
この子は比較的よくデジタルでも描いてますが、なんか今回は幼くなってしまいました;こう見えて高校2年生。
ケータイに手こずりました。もはやケータイに見えませんが、もういい・・・。
昨日はかなり久々に三田のアウトレットへ。
平日なので比較的空いてましたが、暑かったです!;秋はどこへ行ったのか;;
すっかり秋モードになっており、ワンポイントで羊が入ってる可愛いカーディガンとか買ってきました。収穫はリバーシブルのワンピース(短いですが)。
安くで色々買えて満足でしたv
最近はほんとにオールアウトレットコーディネート(笑)
さて続きから悠々人生4話です~。
あと3話!夏休み中に全部アップするぞ!!;
******************
悠々人生 第4話 「高山 涼夏」
週末は大阪から京都へ向かう。目的は兄におごらせるため。なのに今日は兄が不在だった。今、太秦にいるという。
「なんでそんなところにいるの。太秦映画村にでも行くつもり?」
『違う違う。森下さんの伯父さんの所に行くんだよ』
こんにちは涼夏ちゃーん、というりかさんの声が電話越しに聞こえた。向こうの姿が見えないので、さっぱり状況が分からない。
「・・・・・・ん? 何それ。どういう状況なの」
『森下さんの伯父さんて作家さんだろ? 一度会ってみたいなーって言ってたら、連れていってもらえることになっちゃって』
「なんかすっごい急な展開」
「だろ? おれもびっくりだよー」
兄は心なしか嬉しそうに笑った。「多分帰り遅くなると思うから、母さんに言っといて」と言って兄は電話を切った。そのまま言ったら誤解されそう。一体なんと伝えるべきか。
「あーあ。せっかく新快速で京都まで来たのに・・・・・・」
というか兄におごらせることが週に一度の楽しみなのに。このまま帰るのもアホらしいし、甘いものでも食べて帰ろうかなと伊勢丹をうろうろした。週末のせいかどこも混んでいて、よさそうな店はどこも高い。安い店は店内が狭いと、とても極端。高校生が使えるお金なんてしれているのだ。意味もなく食器売り場や雑貨を見たりして時間をつぶした。私も六時までには帰らないといけない。
「あれ、涼夏ちゃん?」
聞き覚えのある声に振り返ると、そこにいたのはるかさん。兄と同じ大学の文芸部員である。柔らかい栗色の髪が胸のあたりでふわふわ揺れていた。
「ぐうぜーん。でもどうしてここに? 涼夏ちゃんの学校大阪じゃなかったっけ」
「週末だからお兄ちゃんと帰ろうと思って。でもちょっと遅かった」
「なんで?」
「お兄ちゃんに電話したら、りかさんの伯父さんのとこ行くって言ってて。なんか状況がよく分からないんですけどね・・・・・・」
「ああ。りかちゃんの伯父さんて、森下晃司さんていう有名な作家さんなの。前から高山くん一度会ってみたいって言ってたからそれでじゃない?」
それはさっき聞いたし、正直なところ私にとってはどうでもいいことだった。兄がいない今、私は自腹で何か食べて帰るしか道は残されていない。
「はるばる京都まで来たのに災難だったね。そうだ、せっかくだから一緒にお茶しない? 私おごるし」
「え、いいんですか?」
突然のお誘いに、私は声を弾ませた。
「うん。高山くんにはいつもお世話になってるし」
お言葉に甘えて中村藤吉本店のおっきいパフェをおごってもらうことにした。私は抹茶パフェで、るかさんはほうじ茶パフェ。どちらも上から下までぎっしり詰まっている。すごいボリュームだが、お手頃な値段で、甘さ控えめでおいしいのだ。
「るかさんありがとうございます! いただきまーす」
早速上のクリーム部分をスプーンですくってぱくついていると「そのセーラー服可愛いね」とるかさんが言った。うちの高校の制服は濃い緑の襟とスカート、それに黒のリボンといった組み合わせだ。結構可愛いと評判でもある。
「高校生活楽しい? 私も高校生くらいに戻りたいなー」
「楽しいですけど、大変ですよー。勉強とか体育祭とか。毎日決まった時間に起きて、遅くまで授業受けないといけないんだから。私も早く大学生になりたいです。夏休みも長いみたいだし、自分の取りたい授業選べるんでしょ?」
「まあ学科ごとに取らなきゃいけない授業あるし、卒業までに決まった単位取らないといけないけどね。でも高校ならもう夏休みに入ってるんじゃないの?」
「今、夏期講習です。私も来年は受験生ですから」
「ああ、夏期講習私の高校もあった。高一の時からほぼ強制的に受けさせられてたよ。嫌だよねー、あれで休みほとんどつぶれるし」
「ほんとですよー。宿題もどっさり出されるのに」
愚痴をこぼしながらスプーンを運び続けていると、既に半分くらい減っていてびっくりした。お茶が残り少なかったので、店員さんを呼びとめて注いでもらった。ここの九鬼ほうじ茶おいしい。買って帰ろうかな、と思っていたら「涼夏ちゃん」とるかさんに声をかけられた。
「はい?」
「涼夏ちゃん、今度の宵山って行く?」
「宵山って祇園祭の? いえ・・・・・・。天神祭なら行こうと思ってますけど」
天神祭は大阪で行われる大きなお祭りだ。
「今度大学の友達みんなで行くことになってるの。りかちゃんと私と高山くんも来るよ」
「えっ。お兄ちゃんも行くんですか?!」
「なりゆきでそうなったの。あとは神谷くんていう高山くんの友達と、彼女の深雪ちゃんちゃんていう子」
「あ、慎吾さんは知ってます。よくうちに遊びに来てたから」
「それじゃほとんど顔見知りなんだね。涼夏ちゃんもよかったら一緒に行かない? 夜遅くなるから私のマンションに泊まっていけばいいし。あ、でもご両親の許可がないとだめか」
「多分大丈夫だと思います。うちのお母さんるかさんのことよく知ってるし」
と言いつつも一応家に電話をかけると母が出た。
『あ、涼夏。今どこにいるの? 夏期講習とっくに終わったでしょ!』
「今から帰る。ね、お母さん。今度の日曜日、宵山行かないかって言われてるんだけど」
『宵山? あんたまた京都行ってるの?!』
母が怒りモードに入ってしまった。うろたえる私を見かねたるかさんが「代わって」とジェスチャーで示したので、携帯を渡した。
「もしもしお電話代わりました、遠藤です。お久しぶりですー。あの、今度私の大学の友達と宵山に行くんですけど、涼夏ちゃんもどうかなと思って、さっきお話ししてたんです。はい。はい・・・・・・。夜に行くんですけど、男の子も一緒なので大丈夫です。ええ、ご安心ください。息子さんの遼介くんと、友達の神谷くんなんですけど。あ、ご存知ですか? 夜遅くなっちゃうので、涼夏ちゃんには私のマンションに泊まっていただいたら構いませんし・・・・・・。はい、ご迷惑でなければ。いえいえ、迷惑だなんてとんでもないです。いつも遼介くんにはお世話になっていますし。・・・・・・え、よろしいですか? はい、大歓迎です! ありがとうございますー。あ、涼夏ちゃんに代わりますね」
見事交渉成立した。すごいやるかさん、と感心しながら携帯を耳に当てた。。
「お母さん行っていいの?」
『まあ遼介と慎吾くんも行くなら大丈夫でしょ。るかちゃんに迷惑がかからないようにするのよ』
「はーい」
それにしてもるかちゃんしっかりしたお嬢さんね、と母も感心していた。
「あ、そうだ。お兄ちゃん帰り遅くなるかもだって」
『なんで?』
「りかさんとりかさんの伯父さんの所行くんだって。森下晃司さんていう有名な作家さんだから、一度会ってみたいんだってさ」
よく分からない展開ね、と母は苦笑した。ほんとに私だって訳が分からない。
『りかちゃんとるかちゃんって、遼介のガールフレンドなのかしらね』
「さあ知らないけど・・・・・・」
パフェに夢中のるかさんをちらっと見て
「お兄ちゃん奥手だから、どっちかとくっつくといいね」
るかさんに見えないように、こっそりと笑った。
「なんでそんなところにいるの。太秦映画村にでも行くつもり?」
『違う違う。森下さんの伯父さんの所に行くんだよ』
こんにちは涼夏ちゃーん、というりかさんの声が電話越しに聞こえた。向こうの姿が見えないので、さっぱり状況が分からない。
「・・・・・・ん? 何それ。どういう状況なの」
『森下さんの伯父さんて作家さんだろ? 一度会ってみたいなーって言ってたら、連れていってもらえることになっちゃって』
「なんかすっごい急な展開」
「だろ? おれもびっくりだよー」
兄は心なしか嬉しそうに笑った。「多分帰り遅くなると思うから、母さんに言っといて」と言って兄は電話を切った。そのまま言ったら誤解されそう。一体なんと伝えるべきか。
「あーあ。せっかく新快速で京都まで来たのに・・・・・・」
というか兄におごらせることが週に一度の楽しみなのに。このまま帰るのもアホらしいし、甘いものでも食べて帰ろうかなと伊勢丹をうろうろした。週末のせいかどこも混んでいて、よさそうな店はどこも高い。安い店は店内が狭いと、とても極端。高校生が使えるお金なんてしれているのだ。意味もなく食器売り場や雑貨を見たりして時間をつぶした。私も六時までには帰らないといけない。
「あれ、涼夏ちゃん?」
聞き覚えのある声に振り返ると、そこにいたのはるかさん。兄と同じ大学の文芸部員である。柔らかい栗色の髪が胸のあたりでふわふわ揺れていた。
「ぐうぜーん。でもどうしてここに? 涼夏ちゃんの学校大阪じゃなかったっけ」
「週末だからお兄ちゃんと帰ろうと思って。でもちょっと遅かった」
「なんで?」
「お兄ちゃんに電話したら、りかさんの伯父さんのとこ行くって言ってて。なんか状況がよく分からないんですけどね・・・・・・」
「ああ。りかちゃんの伯父さんて、森下晃司さんていう有名な作家さんなの。前から高山くん一度会ってみたいって言ってたからそれでじゃない?」
それはさっき聞いたし、正直なところ私にとってはどうでもいいことだった。兄がいない今、私は自腹で何か食べて帰るしか道は残されていない。
「はるばる京都まで来たのに災難だったね。そうだ、せっかくだから一緒にお茶しない? 私おごるし」
「え、いいんですか?」
突然のお誘いに、私は声を弾ませた。
「うん。高山くんにはいつもお世話になってるし」
お言葉に甘えて中村藤吉本店のおっきいパフェをおごってもらうことにした。私は抹茶パフェで、るかさんはほうじ茶パフェ。どちらも上から下までぎっしり詰まっている。すごいボリュームだが、お手頃な値段で、甘さ控えめでおいしいのだ。
「るかさんありがとうございます! いただきまーす」
早速上のクリーム部分をスプーンですくってぱくついていると「そのセーラー服可愛いね」とるかさんが言った。うちの高校の制服は濃い緑の襟とスカート、それに黒のリボンといった組み合わせだ。結構可愛いと評判でもある。
「高校生活楽しい? 私も高校生くらいに戻りたいなー」
「楽しいですけど、大変ですよー。勉強とか体育祭とか。毎日決まった時間に起きて、遅くまで授業受けないといけないんだから。私も早く大学生になりたいです。夏休みも長いみたいだし、自分の取りたい授業選べるんでしょ?」
「まあ学科ごとに取らなきゃいけない授業あるし、卒業までに決まった単位取らないといけないけどね。でも高校ならもう夏休みに入ってるんじゃないの?」
「今、夏期講習です。私も来年は受験生ですから」
「ああ、夏期講習私の高校もあった。高一の時からほぼ強制的に受けさせられてたよ。嫌だよねー、あれで休みほとんどつぶれるし」
「ほんとですよー。宿題もどっさり出されるのに」
愚痴をこぼしながらスプーンを運び続けていると、既に半分くらい減っていてびっくりした。お茶が残り少なかったので、店員さんを呼びとめて注いでもらった。ここの九鬼ほうじ茶おいしい。買って帰ろうかな、と思っていたら「涼夏ちゃん」とるかさんに声をかけられた。
「はい?」
「涼夏ちゃん、今度の宵山って行く?」
「宵山って祇園祭の? いえ・・・・・・。天神祭なら行こうと思ってますけど」
天神祭は大阪で行われる大きなお祭りだ。
「今度大学の友達みんなで行くことになってるの。りかちゃんと私と高山くんも来るよ」
「えっ。お兄ちゃんも行くんですか?!」
「なりゆきでそうなったの。あとは神谷くんていう高山くんの友達と、彼女の深雪ちゃんちゃんていう子」
「あ、慎吾さんは知ってます。よくうちに遊びに来てたから」
「それじゃほとんど顔見知りなんだね。涼夏ちゃんもよかったら一緒に行かない? 夜遅くなるから私のマンションに泊まっていけばいいし。あ、でもご両親の許可がないとだめか」
「多分大丈夫だと思います。うちのお母さんるかさんのことよく知ってるし」
と言いつつも一応家に電話をかけると母が出た。
『あ、涼夏。今どこにいるの? 夏期講習とっくに終わったでしょ!』
「今から帰る。ね、お母さん。今度の日曜日、宵山行かないかって言われてるんだけど」
『宵山? あんたまた京都行ってるの?!』
母が怒りモードに入ってしまった。うろたえる私を見かねたるかさんが「代わって」とジェスチャーで示したので、携帯を渡した。
「もしもしお電話代わりました、遠藤です。お久しぶりですー。あの、今度私の大学の友達と宵山に行くんですけど、涼夏ちゃんもどうかなと思って、さっきお話ししてたんです。はい。はい・・・・・・。夜に行くんですけど、男の子も一緒なので大丈夫です。ええ、ご安心ください。息子さんの遼介くんと、友達の神谷くんなんですけど。あ、ご存知ですか? 夜遅くなっちゃうので、涼夏ちゃんには私のマンションに泊まっていただいたら構いませんし・・・・・・。はい、ご迷惑でなければ。いえいえ、迷惑だなんてとんでもないです。いつも遼介くんにはお世話になっていますし。・・・・・・え、よろしいですか? はい、大歓迎です! ありがとうございますー。あ、涼夏ちゃんに代わりますね」
見事交渉成立した。すごいやるかさん、と感心しながら携帯を耳に当てた。。
「お母さん行っていいの?」
『まあ遼介と慎吾くんも行くなら大丈夫でしょ。るかちゃんに迷惑がかからないようにするのよ』
「はーい」
それにしてもるかちゃんしっかりしたお嬢さんね、と母も感心していた。
「あ、そうだ。お兄ちゃん帰り遅くなるかもだって」
『なんで?』
「りかさんとりかさんの伯父さんの所行くんだって。森下晃司さんていう有名な作家さんだから、一度会ってみたいんだってさ」
よく分からない展開ね、と母は苦笑した。ほんとに私だって訳が分からない。
『りかちゃんとるかちゃんって、遼介のガールフレンドなのかしらね』
「さあ知らないけど・・・・・・」
パフェに夢中のるかさんをちらっと見て
「お兄ちゃん奥手だから、どっちかとくっつくといいね」
るかさんに見えないように、こっそりと笑った。
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